とても良かった。映画は、ある冬の朝、畑で女の凍死体が見つかるところから始まる。ヒッチハイクとキャンプで気ままに放浪をしているモナの物語は、フランス版歩くイージーライダーという感じ。人は彼女を好きにもなるし、嫌いにもなる。時々出会う学のある人たちは、自由に生きるモナに何かしら意味を見出そうとするんだけど、彼女は『働きたくないから』と答えるだけ。しかも『人に嫌われることを気にしない』という哲学で生きているモナは、本当に、そんなこと、どーでもいい！って感じでにべもない。かっこいい。嫌われても構わないなんて本当に無敵。
しかしそんな無敵さも長くは続かず、やがて死の予感に阻まれ、一瞬怯んだ隙にあっという間に飲み込まれ無様な最期を迎えてしまうわけだが、その情けなさすらもモナはしっかりと内面化しているように見えてやっぱりかっこよかった。
わたしはモナのようには生きられないが、少なくともおおいに肯定したい。彼女に出会ったらピザとワインくらいはご馳走するつもりだ。
