アオイ

哀れなるものたちのアオイのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.6
文句無しに面白くて、大満足でした。とても良かった。

R18がどの方向を指すのか分からずに怯えていましたが、恐れるようなことは何も無かった。色彩に溺れ、身を委ねながら、ベラを”観察“した濃密な時間。
エンドロールの音響効果だけでも「映画館に来て良かった」と思った。

ストーリーに負けじと、美術面の美しさが際立つ。独特な世界観を見せつけられながらも、没入せずに俯瞰して楽しむことが出来たので、鑑賞後も心が軽かった。

人間味に溢れた登場人物それぞれに対して思うところはあるものの、総じて「人間だもの」という感想。
役者の演技が素晴らしく、映像作品として完璧だったからこそ、原作小説も気になるような、手を出すのが怖いような。


観終えてから1日半が経って、あの世界をなんだか恋しく思う。現実の残酷さや哲学的な真理だけでなく、ベラが人の優しさに触れることが出来て良かった。
アオイ

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