哀れなるものたちのTacosのネタバレレビュー・内容・結末

映画を見終えるまで、生と死について語っているものだと解釈したが、フェミニズム映画と聞いて、納得がいった。女性蔑視やフェミニズム、生物学的女性としての快楽と苦しみ、様々なメッセージが、比喩的に、時には直接的に表現されていた。物語の筋道は小説の『アルジャーノンに花束を』を連想した。とりわけ気になったのは、カメラ表現である。盗撮されているような画角、魚眼レンズ、一昔前の映画のようなズームアップ。また、ファンタジーな世界観に説明がないことから、監督の独創的なセンスが全面に溢れている映画であった。どのシーンをとっても考察のしがいがあり、見終えた後も楽しめる良作である。