桑田

哀れなるものたちの桑田のネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

見終わってしばらくは何を観させられたんだ、って感じだった。きれいなエンドロールで良い作品を見た感じにさせてくれるけど、やっぱりあたおかな世界だったな。

でも演出とエマ・ストーンの演技はすごい。
外に出て世界が鮮やかになる。幼い脳は身体につられてか急成長しどんどん賢くなっていく。世界を知らないベラは初めての音が大きく聞こえるし、見るものすべてが現実とは少し違う幻想的な景色に見える。自分の感情のみで動き、快楽を知るとそれだけになる。嫌なことがあればそれに逃げて、途中までは子供とも原始人とも思える。
しかしベラは、世界と知識を得ることで自分を律することができるようになる。
わずかな人間としか交流していなかったときと比べて、娼館で成熟した女性たちと生きるなかでは歩き方や話し方、表情が大きく変化する。その後、人間的な感情を持てるようになる。
人間社会学?の授業を受けた感じ。アルジャーノンを見たときに似た感覚。あれよりもさらに進化した世界感で、たしかに良い作品かも。

ラスト、実験台にされた人間とその観察者達が笑って生活している画はほんとにあたおかだったけどね。スコアは私の好みでは無かったから下げました。
桑田

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