ksana

哀れなるものたちのksanaのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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自由 自立 知性 金 諦め 夢
この世を生きるために私たちが手にせねばならぬものはあまりにも多すぎる
世界を知らない方が、知識など持たぬ方が、幸せになれるのだろう

でも無知のままで、狭い世界の中で、地に足つかぬ自尊心ばかりの幸福に浸り続けていて、その先に何がある?
1人の人間として意志を持った先には暗闇や棘ばかりの茨の道や、道さえもない荒野が立ちはだかる
それでも、私が私であると言う確固たる揺らぎないものを見つけるために、時に血だらけになりながら、己の身を削りながら、他の誰にも操作できない自分という船の舵を切り大海を進んでゆく

女は男にとっての領土たるか?
女が、人類の"最後の植民地"であるならば、彼らが到底征服できぬほどの知性と、勇気と、冒険心を磨き続け、誰も縛ることなどできない蝶のような存在になるしかないのだろう 

人間の精神的な成長と、纏う服の視覚的変化が美しい 服は第二の皮膚、まさにそれを具現化したような美しい装い
エンドロール、細やかに切り替わってゆく日常の断片は、幼少期に抱いた断片的な記憶を思い出させた 美しいものをただ美しいと思うことのできる心 私は今も、その心を失っていないと言えるだろうか?
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