つぼかび

哀れなるものたちのつぼかびのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.0
ブラックジャックもびっくりな脳移植手術で蘇生した主人公が成長するにつれて絵が貧相になっていくのが勿体ない。船を降りて以降、物語までもが詰まらなくなっていく。ストーリーの展開がわりとベタで、設定負けしている気がする。『ロブスター』とか『聖なる鹿殺し』にはそんなこと感じなかったし、変なカメラワークにも意思を感じたんだが、今回はちょくちょく入る窃視的なカメラワークも意図が掴めなかった。

オープニングとエンディングクレジットの絵とか、レトロテクノロジーな感じは凄く良いんだけど、安っぽい色彩がどことなく『バイオショックインフィニット』の世界観笑

ただ、ラストの不穏な終わり方、なんかハッピーエンドな雰囲気あるけど、絶対あいつ医者になんかしちゃいけないよな。途中スピノザの『エチカ』読んでたし、獣的な残酷さと行動力を兼ね備えながらも、良識とか倫理観を論理の積み上げで演繹的にしか理解しようところもある悪魔的な奴だぞ。むしろ、この後あの邸宅でどんなおぞましい実験が行われるのかを見たかったわ。
つぼかび

つぼかび