つぼかび

ボーはおそれているのつぼかびのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
2.5
いや、面白くないでしょ。3時間も長すぎるよ。ベタに言えば、インフルエンザの時の夢みたいな映画なんだけど、褒め言葉ではない。『ヘレディタリー』『ミッドサマー』が家族(擬似家族含む)の崩壊と修復の物語だったのに対し、本作は息子と母親の異常な共依存と憎悪に起因する崩壊に次ぐ崩壊の物語なのは分かるんだけど。。

誰にも侵害されない家の喪失→本当の娘と擬似息子との家族の正統性の争い→家族を持たない者たちの擬似家族コミュニティへの接近と自己の呪いによる疎外→母親との対消滅、とどこまでも家族を巡る物語なんだが、その過程がなんでもありなので、北野武のコメディ映画くらいとっちらかってまあまあ滑ってる。笑ったのは、お前が死ぬんかい!のところと、チンチンの悪魔のところくらい?

ラストなんか顕著だけど、ちょくちょく挿し込まれる『トゥルーマン・ショー』とかエヴァ旧劇的なメタ描写、みんなこういうの見たいんでしょ?と訴えるような露悪表現もなんか冷めたなあ。
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