ふかい

哀れなるものたちのふかいのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
ここまで破茶滅茶ながら全てが整然とされている映画は見たとがない。全てが未体験の映画ながら、どこか懐かしさも感じさせるという奇跡的なバランス(ダンスしながらのドタバタとかチャップリンみたいだし)
表現ってこんなに自由でいいんだ!という驚きと喜び。
予想もつかないプロットの影に隠れがちではあるが、実はとてもストレートな「言葉の映画」だと感じた。「資本主義や社会主義の嘘に飲み込まれるな。真実を探して生きろ」というセリフには心底感動したし(マーサとの不思議な関係性をいちいち説明しないのが良い。「死にたいようだ」で爆笑した)、「娼婦であるということは男の所有欲を破壊するの?」→「君の体だから自由に決めて良いんだ」というマックスの誠実さには思わず涙が…
「冒険に出て砂糖と暴力を知った」ってなんて含蓄のあるセリフなんだろう!
スラム街の彼らにお金を渡しちゃうベラを見て悲しい気分になったり、ジョークで爆笑する風俗客の姿で本当に幸せな気持ちになったりと、感情をかき乱されまくりました
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