なえ

哀れなるものたちのなえのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

アルジャーノンに花束を と同じ系統のSFだ
フランケンシュタイン、メアリーの総てあたりもかな…

140分とは思えないスピード感と衝撃で脳の興奮がおさまらない
映画館に行ったはずなのに、美術館に行ったような感覚になった

自殺した女性のお腹の中にいた胎児の脳を移植して生まれたベラ(見た目は大人頭脳は子どもだ!!!)
最初は幼稚園児のような彼女も1日15の言葉を覚え、歩き方も日に日に進歩している
次第に外の世界に興味を持ち、自由を求めて冒険に出る(家の中だけの世界から外の世界に出る時、モノクロからカラーに変わるのが良い)
性を求め、知識を求め、不条理を目の当たりにし、女性が抑圧された世界で成長していく…
彼女の貪欲で真っ直ぐな生き方がかっこよかった
こんなの魅了されるに決まってる
女に本気にならないと自負していたダンカンが、束縛をし出して終いには子どものように泣きわめいてしまう姿が一周まわって可愛い
あと元旦那がヤギにされてるのヤバすぎ、超残酷なことするじゃん😂

他人の目を移植すると、その人が見たものが時々フラッシュバックする みたいな話を聞いたことがあるけど、そういうのは一切なくて、完全にベラは自殺した女性とは別人だった
人の皮膚や骨、血も日が経つと入れ替わるというし、私ももう昔の自分とは別人なのかもしれない
生命倫理の話にも繋がって面白い

ベラが最初に行ったポルトガル、19世紀と近未来が融合していてめっちゃ可愛かった
美術、サントラまで刺激的で、、、
この映画かなり気に入った!!

エマ・ストーンはララランドの可愛いイメージが強かったから、そこからは全く想像つかない怪演っぷりで印象がだいぶ変わった
最初と最後ではまるで人が違う
歩き方の変化も細かくて凄かった
終盤のお顔が美しすぎて言葉が出ない

映画館で見ないと後悔しそうだったので見に行ってほんとによかった
なえ

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