水

哀れなるものたちの水のネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ベラが“女”であることを自覚しているとき=カラーだったのかな?
最初は、知能の低い女が性的搾取されているようでしんど‼️ってなったし、マックスがベラに惚れた理由もそういうことなんじゃ…と思ったけど、最後まで見て、彼はベラのパワフルな生命力みたいなものに(科学者としての血も疼きつつ)強烈に惹かれたのかな?と考え直した。正解はわからないけど

個人的には「パリ」に入る少し前、ベラが本で知識を得たあたりからどんどんこの映画に心を奪われた。あのマダム、ほんまにありがとう。海上を走る閉鎖的な移動手段の船で、必要な出逢いをして、世界の悲しい一部を目の当たりにして…ベラが成長するために重要な糧をあの章で得ていたのが、このエキセントリックなロードムービーにふさわしいと思う。嬉しくなった。

あそこの売春宿、わたしも働いてみたい。気味悪い客を前に、女が男を選ぶのはどう?って提案するの良すぎ。あとめちゃくちゃ汚らしいのになんだか良いセックスをして帰っていった男、気になりすぎ。

女が全てを決めたほうが幸福になるんじゃ?みたいな考えは行き過ぎだとわたしは思うけど、その思考がよぎるのは、女だから当然のことなんだと思う。それで結局男性排除的な思考になって、女同士で性を補完しようとする流れを挿し込んだのかな、って。

役者は当然最高で、衣装と音楽とセットとCGも最高で本当に映画館で見れて良かった。
「生は魅力的だから」許すとベラが言ったの、救ってくれるね〜と思った。
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