ラッキーマウンテン

哀れなるものたちのラッキーマウンテンのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
有名監督になると大金と有名俳優を使って自分好みの映画が作れるんだなあと思った。まぁ色々制約はあるんだろうがハリウッドドリームを感じる。ハリウッド作品じゃないけどね。
それはいいとして、とち狂った画面を繰り広げながらも真っ当に「君たちはどう生きるか」を問い掛けてきたので驚いた。中国雑技団ばりのものすごいバランス感覚で成り立ってる。
序盤からエロシーンでぶっ飛ばしてきたかと思ったら、いつの間にかベラが自我と夢を獲得するまでの流れを無理なく描いていて見事としか言えない。
あのキッチュな衣装もギリギリありなラインだし。まあ一般市民がやったら確実にダッッッサ!の一言で終わるけど。
美術はがっつり個性を出しつつも大衆受けを意識していてこれまたすごい。あのネオ・ポルトガルもみんな好きそうだよね。
ロールしないエンドロールもめちゃくちゃよかった。エンドロールだけのBlu-rayが欲しいくらい。

しかしランティモス作品のスケールがどんどんでかくなるのを見ていると、結局一番大事なのって金じゃね?とも思う。おわり