つむ

哀れなるものたちのつむのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
ヨルゴス・ランティモス監督作品⑥

原作は未読。

過去作品、特に「籠の中の乙女」に通じるものがありながら、それらにはなかった多幸感やカタルシスがあった。
思っていたよりファンタジー色は強め。
広角レンズを多用した映像はもちろん、美術や衣装の細部に至るまで映画館で鑑賞するのにふさわしい作品だった。

ランティモス作品では毎度おなじみの奇天烈なダンスは本作でも。
ベラを演じたエマ・ストーンは「女王陛下のお気に入り」でもオリヴィア・コールマンやレイチェル・ワイズに負けない存在感を放っていたが、狡猾なアビゲイルと本作での無垢なベラは同じ人間が演じているとは到底思えない。
5作品観たランティモス作品の中で共感できる人間は誰ひとりいなかったけど、ベラは初めて応援したくなった人物かも。
フェミニズム映画かと言われると自分は違うかなとは思う。
この監督がそんなストレートなメッセージを込めるようには思えない。

「Kinds of Kindness」では「籠の中の乙女」「ロブスター」「聖なる鹿殺し」
のエフティミス・フィリップが脚本に再び参加するようで、主演はエマ・ストーン。想像を絶する不快が待ってそう。


パンフレットが売り切れで他の映画館にも寄ったけどそこでも売り切れ。
もっと早く観るべきだったか・・・
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