ワヤ

哀れなるものたちのワヤのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
相変わらずの魚眼レンズを使ったカットや独特な音楽使いなど、作家性はかなり色濃く出ているんですが、それでも過去作品と比べてかなり見易いんじゃないでしょうか。
「ロブスター」や「聖なる鹿殺し」は正直好きじゃないんですが、本作は”純粋無垢なベラがどう成長していくのか”という物語的な推進力があるので最後まで飽きずに観ることができました。

全くの無知であるがゆえに社会の不均衡さに疑問をいだいていく、という点ではインド映画の「PK」と近しいかもしれません。(本作のほうが描かれるテーマも描き方も大分ブラックですが)

中世とも違うスチームパンク的な世界観を表現する舞台セットもよかったですが、なんといってもベラを演じたエマ・ストーンがすごい。
特に序盤、ふとした時の行動が我が子を思い出すような、本当に中身が子供なんじゃないかと思わせる演技でした。
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