マツザキ

哀れなるものたちのマツザキのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
哀れなるものたち=何を指しているのか。そう思いながら鑑賞していた。

3時間の内2時間は哀れなるものたち=男を現してる様な映画に受け取れた。
ただベラが学び成長していく過程で、受け取る範囲は拡大していく。

邦題は哀れなるものたちだが、原題はpoor things。poor=貧しい、乏しい、貧弱…。

poorという視点で見た時に、暴力支配、嫉妬、冒険心のなさ、知識の浅さなど色んな要素を持ったキャラクターが出てくる。

その中でも主人公ベラは冒険心と金銭を満たす為に売春婦になるシーンがあるが、仕組みに対する疑問を感じ、途中からは客とキャスト双方が満足を得られる方法を見出す。その後、父が要因でもあるが自らの目標を持って売春宿から出ていく。

これもある種、現代社会への風刺であり、日本で言うパパ活・立ちんぼ女子に対するカウンターに当てはまるのではないかと思った。
心や思考が貧困だから身体を売っているかもしれないけど、知識を蓄え学び続ければその環境からは容易く抜け出せるよ?と映画的表現は少なからずあったのではないのだろうか。

かなり攻めた内容であったが、ここまで分かりやすい表現でなければ伝わらない部分も現代社会では多いので、3時間飽きることなく楽しめました。
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