たけ

哀れなるものたちのたけのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.1
これが現実になるとき、自分は生き残れるのだろうか。私利私欲に飲み込まれず、正しい自分を貫けるだろうか。

利己故の善悪、利他故の善悪。より良い結果と成るならば、その選択は厭わなくていい。それが真実であるならば、躊躇する隙も要らない。

小学3,4年生の時の担任の先生に「どんな人も女性から産まれてくるから、女性には敵わないんだよ」と教えられて育ってきた、自分はそんな1人の男。

至極真っ当にそれが具現化されていたように思えた今作。優劣なんて絶対に必要ないし、平等であればあるほど良いのは分かっている。

ただ、今回突きつけられた女性像が社会的とかそういうのじゃなく、人間として強すぎて。

とにかく天下無敵で率先垂範な象徴を真正面からぶつけられて。正直怖さすら覚える程。

哀れな人間ではあるものの、正しく寄り添って分かち合って、その中で自分の立ち位置を見つけなければ、生き残ることすらできない気がした。

自分はユセフや、全てを悟ったバクスターの様になれるだろうか。

惨めさを感じつつも、一周回って爽快感でいっぱいになった。
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