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哀れなるものたちのhokaのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.2
膨らむだけ膨らませたpuff sleeveとモデルニスモを想起させる乗り物や建築物のデザインが目を惹く哲学的コメディ。

性への目覚めが宗教的道徳心の阻害を受けなかった場合、どう進捗するのかを視覚的に観せてくれる。

そもそも性欲は、食欲や睡眠欲と同列で語られる本能的な欲なのであるから、他人に迷惑がかからない限り忌むべきものでは無いが、モラルの鎖に縛られている社会性生物は理性的に行動することが求められている。

彼女はやがて急速に知性を獲得し、自立するに至るが、社会的モラルの獲得にはクルーズ船での読書や哲学的会話や体験、パリの娼館の経験だけでは事足りたとも思えない。

未だ経験進行中といった所だろう。
女性の自由意志の前では、元旦那もヤギ脳を移植されても致し方なく、男性の虚勢が見るも無惨に見透かされ、粉砕されてしまうという事だろうか?

ところでゴドウィンの口から時折吐き出されるシャボン玉は、何の暗喩だろう?
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