めり

哀れなるものたちのめりのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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色々なことを知ることで、残酷を知り、救済も得られる。
果たして何が不幸で何が幸福なのか。
哀れであることの定義はどこにあるのか。

答えが出ないのは、自分が今、地に足着いていない状態だからなのだろうか。
鑑賞直後はそのようなことを思い、苦しかった。
しかしちょうどアカデミー賞の授賞式もあり盛り上がっていたため再度思いを巡らせた。。


これから様々な経験をして多様な感情を経ても尚、彼女の生き様は自身により肯定することができるだろうか。
自身の意思で選びとることで、それを全て自由と呼ぶのか、そうやって選択することが、自身を大切にするということなのだろうか。

少なくとも
自死を選ばざるを得ない状況にいることは、自身を大切にできていない。
だからこそ自身の意思で選びとることは、必ずしも前向きなことではないのだ。


彼女の発言や行動に勇気をもらったのはたしかだ。(子どもをみていると、その純真さに勇気をもらうことがある。それと似たようなものかもしれない。)
だがそれと同時に、果たしてそれらが結果的に哀れであったと自身により認識せざるを得なくなる日がくるのではないだろうかと思わずにいられなかった。

そして、いわずもかな、エマ・ストーンの演技、どこを切り取っても絵画のような美しい映像、、かなり見応えのあるあっという間の映画体験であった。

2024.03
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