映画大好きっ子ちゃん

哀れなるものたちの映画大好きっ子ちゃんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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自分の中にある偏見というフィルターを壊してくれる映像の芸術作品

音楽も映像の配色もぜーーーぶ素敵で、芸術作品を見た後の感覚になる。映画というより、映像の芸術作品を目にした感覚。

主人公のベラは訳あって脳機能と肉体が合っていない。逆コナンの状態。
頭脳は子供で、体は大人なベラが、世界を旅して色々なことを経験しながら、疑問にぶつかり、大人になっていく物語。
子供は「空は何で青いのか」というような大人になってからは疑問に持たないような疑問を持つ。「空は青いのは当たり前」という偏見のフィルターがない状態。ベラも同じように、大人の世界の中で大人が疑問に持たないようなことを疑問に持つため、今まで自分が感じていたような気持ちを目覚ませてくれる。それも、肉体は大人だからベラが持つ疑問がスッと入ってくる。子供だったらスッと入ってこないのは「子供だからそういう考えになる」という偏見を自分が持っているからだと思う。
ベラの奇行が止まらないので見てて次は何をするのか気になってしまうし、思ったことは全部口にするからクスッと笑える。

色んなことに好奇心を持って思い立ったら行動していき、冒険を繰り返すことは良いこともあるが、その冒険をした後のことを考える必要がある場合もある。その好奇心の使い方が子供と大人とでは違ってくると感じた。その好奇心を満たすためにした行動がどんなこと結果を招くかを考えて行動しないと、痛い目に遭ってしまいかねないと感じた。これは大人になるにつれての経験で分かっていくもの。

服装や建物は100年以上も昔のもので現代とはまるっきり違うのに、男女の関係性や問題に思うことへの話している内容は、現代と一緒というところが終わってから思うと不思議な気持ちにさせてくる要因なのではないかと感じた。

特に女性は絶対好きな世界観。
館内も女性の方が見るからに多かった。