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哀れなるものたちのTakihaRe9uieNのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8
「熱烈ジャンプ」

⚪︎あらすじ
 天才外科医であるゴッドは身投げした妊婦の女性の体に、身籠っていた胎児の脳を移植することで女性を死から蘇らせ女性にベラと名付けた。胎児の脳を移植されたベラは幼児退行してしまい、その外見とは裏腹に世間の常識やモラルなどを知らないまま生活していた。ある日、外の世界を知りたいベラは旅に出ることにした。外の世界を知ることでベラは驚くべき成長を遂げた。

⚪︎感想
 ヨルゴスランティモス監督の最新作、キャストにもエマストーンやマークラファロ、ウィレムデフォーなどとても豪華なキャスティングです。良い作品だと思いましたが、自分にはあんまり刺さらなかったです。世間から絶賛されている作品ということもあり、ちょっと悔しいです。自分の感性がもう少し磨かれてからまた見てみたいと思います。
 この映画は人間として不完全なベラが女性として自立できるかがテーマになっていて、昔の西洋の風潮である「女性の立場の低さ」があったからこそ
この映画の爽快さに繋がっていると思いました。西洋にはキリスト教が根底に浸透しているので規律の厳しさがあるのですが、一般教養やモラルのないベラが見ていて良かったです。登場人物は皆、自分の中の常識に囚われている「哀れなる者」であり、時には常識に囚われず、自由に探求することで成長することができるというのを学べたと思います。
 「過激な濡れ場」が多かったんですが、エマストーンの「演者魂」がすごく伝わりました。演者が脱ぐべきか否かというのは散々議論されていますが自分的には必要な表現だと思います。エマストーンもある番組で脱ぐ必要はあったか問われたとき「初めて性に触れるベラを表現する」ためには必要だったと言っており、最高の演者がいてこその最高の作品だと感じました。
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