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哀れなるものたちのotibiのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.7
何が面白ったか、と聞かれると説明は難しいけど、良かったです。
エマストーン、スパイダーマンの時とは全く異なる難しい役柄を演じているのも凄かったね。
本作を見て、2点ほど気になった所があったので記録しておきます。



・モノクロとカラーの使い分け
 
 本作はモノクロとカラーが入れ替わったり、極端なローアングル、魚眼レンズなど色々な映像が使われている。前半はモノクロ中心で、後半はほとんどカラーになっている。
 前半のモノクロのときは、映像が結構ショッキングだから、少しマイルドにするために、この作品はモノクロ作品なんやと思っていた。けれども、後半につれて普通にショッキングなシーンなのにカラーで、モノクロとカラーの使い分けが気になった。後半はほぼ全部カラーだから、ベラの成熟度に従って、使い分けているのかと何となく判断していた。ほいで、見終わって、いつカラーになったっけと見返すと謎が解けました。それは、処女か否かだった。本作流にいうと”猛烈ジャンプ”をした後でカラーになった。でも、セックスしたからといって、ヒトは成熟したとは限らないから、あのカラーの使い分けって結局なんだったんだろう。とやっぱり謎のままでした。


・大切な人が、正しくないと思われる道に行こうとしている時に、止めるべきなのだろうか
 
 パリで無一文になったベラが偶然、売春宿に行き着く。そこでベラは売春宿のお婆さんから「働かないか」と誘われる。ベラには働いた経験が無かったし、沢山のことを学びたかった。だから一緒に旅を共にしていたダッカンが必死に止めるのも虚しく、反対を押し切って娼婦となるってシーンがある。
 ベラは知的好奇心から自らすすんで、娼婦になることを決めた。もし仮に僕の身近な女の子がベラと同様に、知的好奇心から娼婦になろうとしていたら僕はどうするかな。きっとダッカンと同じように必死にその子の行動を制限しようとするだろうね。少なくとも、娼婦になることによって失うことを思いつく限り伝えると思う。もっと丁寧にやるなら、ベラは知的好奇心を得る為の手段で娼婦になろうと決めたんだけど、その目的を獲れる手段は他にもあるよな。それを一緒に探そうよと提案したりするのかな。でも、ベラのような真心から娼婦になろうとしている人を止めることは、結果的にいい方向には働かないのかもしれへんよな。
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