多摩

哀れなるものたちの多摩のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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外の世界に出て、白黒からビビッドなカラーへ変化するコントラストが印象的だった。
男の支配欲とかリアリストを気取ったペシミストだとかの描写で、女が自立して人生を生きる話のようにも見えるけど、もっと核心的なテーマは「"生"は魅力的だからあなたの行為を許す でも嘘と狡猾な罠は許せない」という台詞に凝縮されてる気がした。
トンデモ実験で生み出されたベラが最終的に医者を目指すのはバクスター博士と重なる。
虐待としか言えない仕打ちを受けながら、効率的な科学的真実の探求ばかりを求める姿勢を見せびらかしつつ、死期が近づいてくると素直に父親を「とんだクソ野郎」と呼ぶ。良くも悪くも影響を受けつつ、それでも気に入らない部分はしっかりと否定する感じ。
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