常盤しのぶ

#ミトヤマネの常盤しのぶのレビュー・感想・評価

#ミトヤマネ(2023年製作の映画)
2.0
Filmarksオンライン試写当選で視聴。ありがとうございます。

インフルエンサーという単語が世に現れて何年経つだろう。少なくとも10年も経っていないように思う。今や個人が見る・見られるのは当たり前の世界となっている。そんな世の中で絶大な人気を誇るインフルエンサー・ミトヤマネの物語。

端的に言ってしまえば、本作はあまり私には刺さらなかった。十代二十代向けインフルエンサーの物語であってあまり馴染みがないから、というのもあるかもしれない。しかしそれより何よりも本作は全体的に何がしたいのかが見えてこなかった。

真相は闇の中、結末は視聴者の判断に委ねます、というタイプの作品ではあると思う。ミトは見られるためであれば手段を選ばないタイプの狂人であることもおそらく間違いない(最後のモモ、怖かったよォ)。が、ラストのコインロッカーで何を詰めていたのかの情報が少なくとも私の目には入ってこなかった。何が詰められていればあのラストに繋がるのか、何を示唆しているのか、私にはわからなかった。きっと何かはあるのだろうが。

物語の冒頭で今回の肝となるディープラーニングの設定が出てくる。あれもツッコミどころが多く見られた。まずは素材提供者(今回であればミト)の不利益が生じた際に即座に素材を削除する何かしらは流石にあるだろうと。契約や仕組み等々で削除できないのであれば、それはプロデューサーがアホすぎるしクビになって当然である。

あとは実際に素材が出回った後のクオリティがあまりにもお粗末すぎる。全然似てないし。あのお粗末な仕上がりで今回のような騒動が起こるとは到底思えない。いわゆる『動機が薄い』というやつである。

全体的にそういった矛盾点というか疑問点が多かったため、物語にのめり込むことができなかった。これが意図した演出であれば私の理解力が弱い、で済む話なのだが、そういうわけでもなさそうだよなぁ……。

本作主人公役の玉城ティナはそんな何を考えているのか掴めない不気味な役回りを綺麗に演じきったと思う。彼女は不気味なほどに可愛かった。そこは良かったと思う。