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シチリア・サマーのきのレビュー・感想・評価

シチリア・サマー(2022年製作の映画)
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『シチリア・サマー』を観たら、めちゃくちゃ執拗な偏見の話で実際のジャッレ事件についてはまったく宣伝されておらずそうなん?こんな話なん?と思いながら観ていた。視線がぜんぶネバネバしていて、異常に怖かった。ラスト、開放されていた窓や扉はぜんぶ閉ざされているという静かなカットに、きちんと捜査されなかった事件の真相を考えるなどし。そして、家父長のもと、男のもとでしか暮らすことがゆるされなかった女とこどもの話だったのも、もっと考えてみたい。

それにしても、宣伝どうした?とおもったら松竹だったんだけどこんなに漂白して『君の名前で〜』みたいな売り方して良いのだろうか?ジャンニ事件のこととかもっとホームページに書いてあってもよくないか?とおもった。感動売りって、それはそれで搾取じゃないか?とかおもっていたら映画がおわった。もちろんロマンスを描くこと自体は抵抗になりうるけれど、スタートラインに立たないと。とか思っていたら、降りる駅を間違えた。『パリ、タクシー』もめちゃくちゃフェミニズムの歴史に敬意を示す話だったのに、ほのぼのパリ映画みたいな売り方してて、観に行ってびっくりしたのだけど??
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