豚肉丸

ブルーを笑えるその日までの豚肉丸のレビュー・感想・評価

ブルーを笑えるその日まで(2022年製作の映画)
4.4
教室では疎外されて鬱憤とした憂鬱感を抱える少女はある時、万華鏡を手にする。すると不思議な少女が現れて、二人は徐々に心を通い合わせるようになる。夏休みの終わりも近づいてきた頃、「学校をダイナマイトで爆破しよう」と提案されて...というお話

なかなか面白かった!
現実とファンタジーの境目が段々と消失し始めて、憂鬱感を抱える少女二人が心を通い合わせていく様が面白い。少女の正体は早々に明かされるので「一体誰なのか?」と言ったようなミステリー要素も無く、ただ少女二人の関係性と憂鬱感が解消されていく流れにフォーカスしていたのが良かった。ファンタジーであることを言い訳にした終盤のテンポの良さも面白い。
所々のショットも見事で、特に二人が川に飛び込んで抱きしめ合う場面は物語の盛り上がりもありながら、映像の美しさも相まってとても良い場面だった!未読なので詳しいことは語れないが、度々出てくる『銀河鉄道の夜』を重ね合わせたような電車との並走のショットも面白い。

図書館の司書のキャラクターが本作のテーマを体現しているように、「大人になる」ことへの選択肢は一つではないと投げかけられる。この優しい答えの出し方がかなり印象的だった。
面白かった!
豚肉丸

豚肉丸