意図的な白そして赤のオープニング。
スリリングな冒頭から勝手に想像した復讐・反乱もの、では全くなかった。
19世紀後半から20世紀初頭にかけてチリ パタゴニアで実際に起きた悲劇。
登場するホセ・メネンデスは調べたら邸宅が現在観光名所になっている大富豪。
権力や金に強欲な白人が先住民族を土地から追い出すために取った手段。それに加担せざるを得なかった人々。
パタゴニアにおけるイギリス人とアメリカ人の関係も描かれている。
監督曰く、これまであまり語られてこなかった虐殺の歴史。
先日鑑賞した「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」を思い出す。
監督の「(西部劇も含め)西洋の映画はプロパガンダ」という言葉通り、白人サイドで描く映画は片方の視点が抜け落ちてしまう。
ラストは理解を示しているように見える人も含めた侵略者に対する強い意思表示。
オーストリア人、イギリス人、アメリカ人、先住民族、そして混血。
それぞれのチリ。
監督のQ&A付き
1箇所突然SF映画風だが、あれは現地の神か精霊なんだろうか?
TIFF2023