中国と北朝鮮の国境にある延辺
ハングルと中国語が混在している看板が多く面白い街並み
都心部から離れれば自然が広がっており国境を示す柵がある
降り続ける雪
白い吐息と煙草のけむり
遅れてきたモラトリアムを過ごす3人の男女
スマホで連絡を取り合うこともなく、なんとなく集まって、バイク3人乗りで街を流したり、長白山を登ったり。夜な夜な街に繰り出し、空虚な時間を過ごす。お酒を飲みがら、少しずつ会話しながら、互いを知っていく。距離が近いからこそ遠慮してしまう時もあるけど、距離が遠いからこそ対等な存在でいれる。3人は今後出会うことはきっとないだろう。でも氷が溶けてしまうように、思い出はなくならないで欲しいと思った。
3人の共通点は挫折を経験したり、逃げるようにして延辺に来たこと。年齢的には大人と呼ばれるようになってから、こんな自由に自身と向き合う時間を得られたことは奇跡じゃないのだろうか思うほど映像が美しく幻想的。音楽も合っていて心地良い。でもいつかはこのモラトリアムから出て行かないといけないのだ。3人のこれからが、幸先良いものでありますように。
タイトルに惹かれて興味持ったけど、原題や英語版のタイトルは氷関連していて、実際に氷は様々なメタファーになっていたように思う。氷の迷路のシーン好き。氷食症だと思われる青年が、氷と共に涙を流すシーンは印象に残っている。国境=越えるもの、ナイト=夜、クルージング=ドライブ(徒歩も含まれてるけど)と考えるとしっくりくるかも。それぞれが、今の自分が越えるもののために夜を徘徊する。