このレビューはネタバレを含みます
ようやくアマプラ(スターチャンネルEX)で観賞できた『無情の世界』は短編3作品のオムニバス。
① 真夜中のキッス ‐KISS ME AT DEAD OF NIGHT‐
ユイ(唐田えりか)は冒頭シーンでは車内で「血まみれの服」を着ているが、車内にあったグレーの「チマホマレスラーパーカー」に着替え、さらに元カレの家に押しかけて、その元カレの今カノ(小野莉奈)が着ていた派手な横縞の長袖ニットシャツに着替え、「チマホマレスラーパーカー」はバックパックに詰め込んで元カレ宅を離れたが、竹山(新名基浩)の自宅で竹山が勝手にバックパックから「チマホマレスラーパーカー」を取り出してエプロンの下に着ていた。
つまり、いくつかの着替えシーンがあり、ちょっとしたファッションショーのようだった。
その後、ユイは再びファミレスに戻るも、面倒な連中が言い争っている隙に逃亡し、それを見た竹山が後を追うと、ユイはいきなり竹山にキスをする。このシーンこそが、事実上ユイの勝利につながるわけだが、竹山に前科さえ無ければなんていうタラレバにも意味はない。
お人好しのように見えても、過去に女子中学生とOLと、風俗嬢の3人に対してストーカー行為をしていて、ある趣味でストーカーを克服したかのように言ってるが、いつ再犯するかもわからないからだ。
でもまあ、ユイがどこまでも無軌道で最強の悪役だったのも間違いない。
・ 点数を付けるとすれば88点。もう少し長く唐田えりかを見ていたかった。
・ この作品への出演を最後に小野莉奈さんがフラームから退所している。2019年9月のスポーツ報知の記事では、「22歳までに連ドラ主演」という目標を掲げていたが、小野さんにはそれでも演じる事を続けて欲しいと願っている。
・実は「チマホマレスラーパーカー」を通販で購入してしまった。猫をこよなく愛しているので仕方ない。
② イミテーション・ヤクザ
俳優の野中隆光を見つけた時点で嬉しさのピークに達してしまった。なぜなら「極悪女王」でダンプ松本の父親である松本五郎役を演じているからで、主演の渡部龍平そっちのけで色々とつながってるんだなぁと、じわーっと涙が滲んだわけでもないが、窒息ネタより楽しめた。
女性マネージャー高木(椎名亜音)との台詞読み合わせでは、高木の方がドスの効いた声を出してるので、渡部龍平の演技が霞んでいるのが笑える。
まあ、ヤクザの事務所に間違って入ったけれど、そこで貴重な経験をした事は役者人生の宝になるかもしれないし、ならないかもしれないなというオチ。
・ 点数を付けるとすれば野中隆光に70点、女性マネージャー高木に5点で75点
③ あなたと私の二人だけの世界
これが最も難解だったし、ちょっと長過ぎたかも。護身術と恋愛講座が相容れないのはわかるが、問題は現在オファーが殺到しているという主演の白石優愛の見せ場が少ない事と、下ネタと、エンディング近くになってからのウンコとか小便とかの意味不明ネタで、脚本が完全崩壊したまま終わった印象。
もしかして、全てアドリブだったのかと思うほどだった。
・ 点数を付けるとすれば、可哀想な白石優愛に100点を付けてあげたいが、前述の通りだから作品としては50点に減点するしかない。