にゃっぷ

春画先生のにゃっぷのネタバレレビュー・内容・結末

春画先生(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

酷評するレビューを見るにつけ思う追加→その今の現代的な価値観がなぜ我々に備わっているのかを描く作品だ。

塩田明彦の最高傑作ではないか。(あんまり初期は見てない)
他にもいっぱい見なきゃいかん映画が渋滞しすぎる中であえて観て正解だった。前の「マキのいる世界」が全然乗れなかったが、今回軽い感じの作りと春画ってとおもったら。。。
他のお客がドン引きしてる感があって笑えた。ブニュエルとか、ポランスキーとか、お嬢さんとか、ズラウスキーとか、アイズワイドシャットとか観てる履歴が必要かもしれんな。それを知らんお客には辛かろう。最近の邦画にしては極上の映画体験。画面の作りが端正。音の作りも工夫がある。北香那、安達祐実の演技、エモタスのパンツ最高だろ。キリスト教文化由来のSMを経て西洋思想流入以前のヤマトの和合に至るあの展開は、度肝を抜かれた。春画先生が西洋でゆみこが和なんだわ。
よくこんな映画作ったよな。
内野聖陽の演技は上手いとは思わないが、他の俳優でハマったか?と考えると、内野しかいないだろ。

この映画自体が春画の荒唐無稽をやってるってことは、エンドロールで登場春画が出てくることで発見した。いやあ、これは参った。映画は自由だよって。清々しい。

「ファントム・スレッド』的でもあるが「哀しみのトリスターナ」みたいな少女的主人公が変態に晒されて大人女になり反逆的女王となること。それに虐げられるのが好きな男の話だが。単なるおっさん趣味ではない、女はケイト・ブランシェットみたいな最強の女王願望を秘めてるからな。北香那、最高だぜ!!
あと、出鱈目さとしては園子温のアンチポルノを思い出した。あ、クローネンバーグの新作もだな。
品行方正で端正で道徳と倫理ばかり説く映画だけを見たいわけじゃない。