ワンコ

ビートルジュース ビートルジュースのワンコのレビュー・感想・評価

4.5
【まだ2回のコールだよ】

実はちょっとしんみりした。

ウィノナ・ライダー演じるリディアが薬の服用を巡ってあれこれする場面があるからだ。

ウィノナ・ライダーは高校時代から芸能活動をしていたことを背景に苛烈ないじめを受けていて、情緒が不安定になるパーソナリティ障害を患っていたことがある。そのためオピオイド鎮痛薬を多量に服用し中毒症状も発症していたと自ら告白もしている。

それで、今回この場面を観て、きっともう大丈夫なんだと確認できたような気がしたのだ。

自ら告白するだけで大変な勇気だと思うけれども、映画でもこんな場面を演じてみたり、本当に回復したんだろうなと考えたのだ。

もしかしたらティム・バートンもそれを理解した上での粋な計らいだったりして。

さて「ビートルジュース・ビートルジュース」は、前作から25年ほど経って制作された。

街やゴーストハウスの感じは同じでワクワクするが、ストーリーのフォーカスは、ビートルジュースと元妻、そしてウィノナ・ライダー演じるリディアと娘アストリッドのあれやこれやだ。

特に今回は、リディアとアストリッドの関係性が物語の中心で、人間の滑稽さといったところは実は少ない…ので、ちょっとコメディのパンチに欠けるかななんて思ったが、その代わりに、厄介な若者幽霊の生への執着してなんかも散りばめて、人間社会を皮肉っているようにも思える。

まあ、もしかしたらウィノナ・ライダーのために制作したなんてことはないのだろうかなんて考えたりもしたんだけどね。

きっと次回作もあるよ。

なぜなら、映画のタイトルは、まだ二回しかコールしてないもの‼️

ビートルジュース、ビートルジュース。

もう一回‼️

妙な勧善懲悪っぽさもあって、楽しい映画だった。
ワンコ

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