yontanu

The Goldman Case/ゴールドマン裁判のyontanuのレビュー・感想・評価

3.9
カンヌ監督週間2023

ピエールゴールドマンの裁判第二審をストイックに描き切った裁判映画
一つも外の様子がわからない、カメラが外に出ない本気の裁判映画で、シーンのほとんども裁判の様子をただただ描く

めちゃくちゃ面白いー!
とかの映画じゃないのはわかってたけども、ここまで武骨に攻めてると思わなくてびっくりした
自分が傍聴席にいるかのような気分になった

一審は終身刑、差し戻されて二審裁判の記録映画みたいやけど、
いかんせんゴールドマンがとんでもなくややこしくめんどくさい人間でもあり、信念を持ったポーランド系ユダヤ人でもあり、なんなら何件かの強盗事件はやったと認めてるから、余計大変
今回の裁判の「薬局に強盗に入り人を殺した」という事件だけを否定
ゴールドマンは自由に喋っちゃうし傍聴席にはゴールドマン支持者が声をあげるしで、
ほんまの裁判がこんなんやったらめちゃくちゃ疲れるだろうな…て思った(ほんまはどうだったんだろうな)

ゴールドマン自身が完全なる善人とは呼べなさそうな振る舞いなのでそこに気を取られがちなんやけども、
そこに何らかの偏見や差別が存在はしたんだろうなという裁判だった
他の強盗をしたとはいえ、やってないことまで罪を着せられたくはないよね

ポーランドのことやユダヤ人についての話に少し難しいところもあったけど、
面白かったというか観て良かったなって思った
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