初マンディゴ作品鑑賞。ブルーレイで原語に英字幕で観ました。いやぁ、すごい映画だった。コナンを題材にしたいわゆる異世界転生もののような体裁の叙事詩映画。視覚表現のインパクトがとてつもない。今年のイメージフォーラムでの特集上映ではストーリーが脈絡がないとか、あってないものとよく聞いたが、少なくともこの作品はキャラクター（各コナン、犬顔の死神ライナーなどなど）に共感できるしストーリーも楽しく観れた。グロテスクかつエロティックで、人によっては露悪的、悪趣味と捉えられても仕方がないが、それがあるからこそ批評性がより鋭利な剣の様になっていると捉えた。美と醜は対極ではなく限りなく近いところで共存している。コインの裏表のような。そしておぞましくも美しくてロマンティックです。ティム・バートン、ギレルモ・デル・トロ、ジャン・ピエール・ジュネなどが好きでルイス・ブニュエルとかアリ・アスター、ジョン・ウォーターズとかが楽しく観れるという人にはおすすめしてよいと個人的には感じた。

ベルトラン・マンディコ新作。マンディコ的な生々しく、一貫しない世界観の中で、過去の自分を殺しながら転生していく『英雄コナン』の内省的な再解釈。コナンは愛と暴力に錯綜し、ファスビンダーが意識された犬顔の死神ライナーがその瞬間をファインダー越しに見つめる。面白い

いくらでも掘れるけど、とにかく単純にこの一貫したビジュアルとエネルギーに脱帽。