映画『タランティーノ 映画に愛された男』
今更知っていることばかりだろうと思いきや、あえて関係者が語るインタビューは面白くて興味深い。
ビデオ店の店員時代からの友人の語る素顔。俳優陣が語る演出法や人柄。ワインシュタインとの関係。
いつも言うんだけど、「タランティーノが好き」というクリエイターは信用できない。音楽で言うと、EDMの完成したものしか聴かないで、元ネタを知らないでDJができますかって事。
タランティーノの思い出といえば、『レザボア・ドッグス』を観て衝撃を受けた後、1993年に初来日。タランティーノというとんでもない男が出現したというのは知っていた。映画付きの友だちと来日会見に潜入して、前から2列目で拝見した、それは笑っちゃうほどクレイジーな早口の背の高い顎の突き出た男だった。
その後、その友だちとロサンゼルスのタランティーノ がバイトしていたビデオ店の会員になろうと探したけど、すでに潰れていた。
その後念願叶って、タランティーノ とは何度か会っている。ずっと変わらないクレイジーなマシンガン・トーク。ある時、千葉新一さんの出ていた『キーハンター』のサントラをあげたら、「キーハンター、クール」と叫んで大喜びしてた。前回の来日の時は、石原裕次郎の『栄光への5000キロ』を探していた。とにかくどこの国のどんな映画でも知っている。映画だけじゃなく、建築やアート、音楽もめちゃくちゃ詳しくて、脅威的な記憶力を持っている。
タランティーノにうかつに映画の知識をひけらかそうとしたら、コテンパンにやられる。タランティーノの映画を模倣している奴らはいっぱいいる。だけど、本質が違うから全く足元にも及ばない。そんな内容がこの映画のインタビューでも語られている。今なら俺が対談しても負けないと負けないと思うんだけどな。タランティーノが観てない映画いっぱい観てると思うんだけど。
またクエンティンの映画館で映画観たい!