おるかろん

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズのおるかろんのレビュー・感想・評価

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ぶっちゃけ「ジャンプスケアに特化した、バカ笑いできるバカ映画」とゆー思い込みを持っていた為、こんなにも「ちゃんとした映画」だったんだーて事を知り若干襟を正す気持ちでいます今現在。

ゲーム原作の映画化。ジャンルはホラー。

閉店したピザ屋の夜間警備員として、夜な夜な襲ってくるマスコット達を、夜中の12時から朝6時まで、ひたすら凌ぎ続けるとゆーヤツ。

言ってしまえば「だるまさんが転んだ」系の単純明快なゲームなのですが、様々なギミックが生み出す攻防戦とゆーか籠城戦とゆーか、そーゆーのが熱い訳でして、ちょっと油断すると「バーンッ!!!」つって目の前に異形のアニマトロニクスが画面一杯に現れて「ギャーッ!!!」つって、そーゆーのが面白い訳なんですハイ。

コアなファンは、深掘り要素満載の設定にこそ面白味を感じてる訳なんですが、自分はそこまでじゃあなかったので今回映画を見て初めてこの作品の世界観を理解した様な気がした訳ですハイ。

スゲー深いんじゃあないのかと。

いや実際、予備知識は多少なりとも入れといた方が良い作品ではあったんですね。全く初見だと取りこぼしが発生する、多少なりとも知ってるからこその気付きみたいなのがあったのはあったんです。

ウィリアム・アフトンの名前が出た時ゃアータ。FNAF弱者な私でもゾワ〜ッ!てなりましたからね。

とは言え見せ方や出し方が上手いのでフツーにホラー映画としての体裁も整えていると。

一見さんでも大丈夫ですよと。

この辺がね。絶妙。

ゲームの、特にビックリ演出に過度に期待してると肩透かしを喰らうてのは事実なんです。

ハナから寝てますからね主人公はw

だがしかし。いちいち監視カメラチェックするんじゃあないんだと。バッテリー気にしながらドアの開け閉めに神経をすり減らしたりするんじゃあないんだと。そーゆーんじゃあないんだと。この世界観を初めての人にも判りやすく語っているんだと。

そーゆー事が汲み取れればコレはホントにちゃんとした映画だとゆー事が理解できます。

何かしら腹に一物抱えた登場人物達が醸し出す不穏な空気。

「何かあるんだろうなぁ」とだけ思わせといて事態が進んでいく。

で、退屈しそうな一歩手前で補助金目当ての叔母とゆー典型的な悪役が上手く機能して心置きなく楽しめる惨殺シーン!(語弊)

かーらーの初見の方には意外な展開!まさかのホッコリシーン到来!

かーらーのやっぱりそーなるかー!な展開!!

「最初っからそー思ってたよ!」と言えなくもないのですが最後の最後。伏線がズバッと回収され、なんかちょっと良いフインキになって解決!しかしながら何かしら腹に一物抱えた終わり方をする辺りホラー映画としての溜飲を下げていて上手いなと。

もちろん原作があってこその設定、世界観、ストーリーテリングになる訳ですが、ともかく上手いなと!

このシリーズは他に小説版もあって、それぞれがそれぞれを補完する形でユニバース化しており、舐めてかかると簡単に沼にハマる作りになってるそうでして、まぁ何度も言って恐縮なんですがホントに「ちゃんとした映画」だったんだなーと。

昨今の映画作りって実に巧みで、悪く言うと「置きにいってる」感も無きにしも非ずなんですが、この作品は今風のアレからすると敢えて外してる様にも思われるんですね。

玄人好みとでも言いましょうか。

「笑いとは狭ければ狭い程、判る人には面白い」とは、かの坪内地丹の言葉ですが、そーいった趣きを、この映画からは感じ取れた訳ですハイ。良かった。予想とは違ってたけど良かったです。

最後に。大事な事なので一つだけ言わせて下さい。

この映画はホントに「ちゃんとした映画」だったんだなーという事を。

そして「ウィリーズワンダーランド」はホントに「バカ映画」だったんだなーという事を。




…それじゃ2つだろ!
                おわり。

蛇足:この映画で最も「ジャンプスケア担当」だった小ちゃい人形「バルーンボーイ」

アレ。ギャレットだったんじゃあないでしょうか。

これだけ緻密に作り込んでいるとなると単なるジャンプスケアとか入れてこないと思うんですよ。

何かしら理由があると思うんですよ。

となるとアニマトロニクスの中の人の数が合わない事を鑑みて、あやふやな扱いのまま終わってしまったギャレットこそが、BBの中の人なんじゃあないのかと。

まぁこればっかりは映画の続編を待つしかない訳ですが、まだまだ仕掛けがありそうな今作品。

ホントちゃんとした映画だったんだなーと。

襟を正しています今現在。