スローターハウス154

スパニッシュ・アパートメントのスローターハウス154のレビュー・感想・評価

4.7
2018/4/15

これ国際的な交流とか興味ある人が観ると良いかも。僕自身、そういうのに興味があるのでそういう面で色々勉強になるなと思いながら観ていた。

この映画のテーマは混沌。共同の冷蔵庫の中みたいにいろんな国、人、ストーリーがごちゃ混ぜに詰まっている。各々のアイデンティティをみんな手探りで理解し合っている感じ。自分の国から飛び出さなきゃ直面しないことだらけ。

ウェンディのお喋りな弟のくだり。国のイメージでその人を見ちゃいけないとか、頭じゃわかっているんだけど話題のつなぎとかで出てしまうんだよな。スペイン人は誇りが高くて、ドイツ人は几帳面で、とか。そう考えると、相手国の歴史や時事に対して中途半端に無知だと触れちゃいけない地雷だらけじゃないか?ヒトラーのジョークとかは絶対に言えないしな。(とか言いつつ実はこういうので猛省した出来事が去年あって。初対面のドイツ人と色々話している時ヒトラーの話題を出してしまったこと。それが原因か、その後連絡取れなくなった。自分の無知さ加減に心が痛むと共に、やっぱ腫れ物扱いの話題なのかなと思いました)

少なくとも現段階の日本では、そういう風に国籍にイメージを押し付けるような考え方が根付いてると思う。あるいは、外国人から日本のイメージラベルを張り付けられることに喜んでいるというか。そういう番組の多いこと...クールジャパン()とか日本スゴイみたいな自慰番組が多いのは日本人の潜在的な自信の無さの裏返しなんだろうなと。
..と、無駄話はここまでにして。
旅立ちの不安感とか、帰ってきてからの喪失感とか。帰ってきたけど戻りたいという思い。長かったようで短かった1年間は、よくも悪くも主人公の人生を変える出来事だった。
この映画が僕の今後やることのキッカケになって欲しい。