こーひー

ザ・クリエイター/創造者のこーひーのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

【異文化としてのポストヒューマニズム―――「ザ・クリエイター/創造者」】
AI vs 人間の戦いは今までたくさんの映画で描かれてきた。
今回はAIが人間臭く描かれている。

愛する妻を失った主人公ジョシュアはある日彼女が生きているかもしれないという情報を手に入れ、捜索する。そんな中、出会ったのがアルフィーという少女で彼女こそが人類にとって最大の脅威であるAIだった…
しかし、アルフィーとジョシュアの間には奇妙な絆が芽生える。果たして、ジョシュアは妻を見つけることができるのか。そしてジョシュアとアルフィーの運命は…?
というストーリー。

まずは良かった点から
登場人物の感情描写は繊細に描かれていたように思える。映像もダイナミックで大人の男性と少女の逃避行劇は『レオン』や『LOGAN/ローガン』を想起させる。
終わり方もきれいな終わり方だったと思う。
子役の演技が百点満点。
人間っぽさの中にAI特有の生気のなさがチラつく演技は並大抵の能力じゃできないだろう。

残念な点としては、回想シーンがくどい。必要以上に強調しすぎて、映画に集中しづらかった。また、ストーリーに新鮮さはそこまでなかった。AIと人類の戦いにおいて、AIを善として描く試みは悪くなかったが、もう少し驚愕するような展開を期待していた。

期待値が高すぎたため、少し拍子抜けはしたものの、満足度は高い。
また白人をこれでもかと排他的に描き出している。近年何かと話題になるポリコレではないが、最近の映画には白人を悪として描く傾向があるが、それは白人至上主義と同じ土俵の話のように思えてならない。
ところどころに宗教的要素が多く取り入れられていたのは現代の異文化理解と照らし合わせて観ることもできる。

"戦争を終わらせよう"
こーひー

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