グラッデン

ザ・クリエイター/創造者のグラッデンのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.5
『GODZILLA』『ローグワン』ギャレス・エドワーズ監督の最新作。

個人的に『ローグワン』が、全SW作品の中でもお気に入りの作品だったので本作の予告編を見た時から楽しみにしていた。

【AI vs人間】の構図はSFジャンルの古典であるが、現実世界における国家・宗教・工業製品・戦争等の【歴史とデザイン】を織り込んで構築した世界観に唸らされる。

サンプリングというよりも、SFヲタクの妄想、つまり脳内スケッチをダイレクトに映像化したような細かすぎる絵作りには、原案を手がけたエドワーズ監督をはじめ、制作スタッフのこだわりが随所に伝わる。食い入るように見ている自分がいた。

一方、きめ細かな設定を織り込んだ世界観に対して物語の非常にシンプル。戦争映画の側面も見せつつ、サスペンス要素も加えた展開は物語にスピード感を与えると思ったのであるが、倍速的な展開とスローテンポの進み方が混在していた点は初見では気になったところ。

駆け足感はあったものの、人間とAIを実装したロボットの生死をどう取扱うかは大きなテーマと言えるが、そこに見せた着地点は非常に良かったと思う。

決して短い映画ではないが、もう少し尺が欲しい、映画1本では勿体無いと思うほど物凄いSF超大作でした。