ぺんじん

ザ・クリエイター/創造者のぺんじんのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
4.4
昔の戦争映画に近未来SFアクションを入れたいよ〜、ドラえも〜ん⁉︎ そんな感じでギャレス・エドワーズのオタク心を所狭しと詰め込んでる!とにかくオタク的な映像のパワーで魅せる一作だ!
主要な舞台は近未来のアジアのどこか。そこに再び潜入したジョン・デヴィッド・ワシントンを中心にAIとの闘いが繰り広げられるというストーリー。
AIがいる近未来SFアクションとはいうものの、舞台のニューアジアはどこか昔の東南アジア的な雰囲気。デッカい戦車が田園風景をゆっくりと横切るのはベトナム戦争を思い起こさせる。やはりギャレス・エドワーズは『地獄の黙示録』的なドキュメンタリー的な戦争映画をやりたかったんだなと再認識。『ローグ・ワン』では最後で撮影監督変わっちゃったから今度こそという思いがあったのかも。
とにかく破壊するアメリカ軍vs AIと共に生きていこうする調和のニューアジアという図式。AIの子どもが丸坊主なのもどこかチベット仏教的で、かなり70年代アメリカのヒッピー的なスピリチュアルリズムを感じさせるとこで懐かしい。
そこにオタク的なSFメカをドンドン投入する所がギャレス・エドワーズっぽい。デッカい宇宙兵器とかAIの記憶媒体とかどこか既視感がある感じはあるんだけど、それをCGでしっかりと大きさとかディテールとかを見せてくれるので、なんかケレン味のある映像を見せてくるだけでも素晴らしい映画だったなとは思う。ドラム缶型ロボットが自爆命令に一瞬「えっ?」て聞き返す所はちょっとユーモアがあってたまらない…
ただこういうシーンを撮りたいというのはバシバシ伝わってくるんだけど、シーンとシーンの間が結構飛ぶ所があるので、もうオタク的映像を味わうのが良いかも。
既視感はめちゃくちゃあるけども、監督の「これやりたい!」というストレートな思いが伝わってきてgood!70年代戦争映画と近未来SFオマージュのコラボレーションを楽しもう!もういや!遊牧民!
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