このレビューはネタバレを含みます
色々な映画のパッチワーク的な映像のオンパレード。やや広角で引き気味の画角はまさに壁紙映画というに相応しい。でも一歩『DUNE』には及ばず。
何より驚くのは爆発の回数。どれだけ爆発させるのが好きなのか。お腹いっぱいです
。爆発させすぎて、映画の内容ももはや木っ端微塵になった。
AIと人間についてはこれまで何度も見てきたけど、結局これはAI(この場合厳密には機械)が思考することで人間と対峙する『ターミネーター』的な近未来ではなく、シンギュラリティ前のAIとの共存路線と、核爆発の責任をAIになすりつけて排斥する陣営との人間同士の実に醜い争いであった。
舞台は地球というよりも、もはやただのローグワン。英語とよく分からない言語が飛び交う中で、渡辺謙1人だけが日本語を話すのに滞りなく行われる会話は『ゴースト・イン・ザ・シェル』的で、街並みに紛れるオリエンタリズムと変な日本語は『ブレードランナー』譲り。
兵器もまた現代のEMPに近いから驚きにも値せず…機械のデザインもまた既視感あり。音楽にRadioheadを持ってきた点だけは評価したい。『バニラスカイ』の冒頭とは全く異なるシーンでもハマる異質さは色褪せない。
ところで、あの耳あたりにポッカリと空いた穴にはトイレットペーパーの芯がジャストなんじゃないかと思考を巡らしていると、いつの間にか映画は終わっていたのだった。
あ、まるめたパンフレット挿していいか?折り畳み傘も入りそうだね。収納として便利だね‼︎