コウスケ

ザ・クリエイター/創造者のコウスケのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.5
もし、人間が作り出したものが自分を超える存在になるとしたら、私たちは何を恐れるべきなのか?

私がAIを使わない日はない。この文章もChatGPTに壁打ちしながら書いた。全てをAIに書かせて「はい、できた」では私が投稿する意味がない。AIと「共同執筆」、いや、AIに協力してもらって「私が書く」のがこだわりだ。

先日、ドラマ「Shogun」を見るためだけに加入したDisney+がリコメンドしてくれた映画「ザ・クリエイター/創造者」が気になった。AIと人間の物語だから。

人間であるジョシュアが失われた家族を探し求める中で、AIロボットと心を通わせる姿は、人間とAIの境界線を揺さぶる。この映画が描く未来は、私たちが 直面するAIとの共存問題を深く考えさせる。

印象的だったのは、AIロボットと人間が最後の別れに涙を流すシーン。モノと人間の間に生まれる絆は、血肉の繋がりを超えて魂の交流を示しているように感じられた。AIが単なる道具以上の存在となり得る、この映画を見てそう感じた人も多いはずだ。

人間とAIの戦争、というとありがちすぎるが、この作品では厳密には親AI国 vs 反AI国という描き方なのが興味深い。
それでも、絵的にはAI vs 人間の戦いが多い。その構図を聞けば、われわれ人間は自然とAIを悪と思うかもしれない。しかしこの映画では人間が悪に見える点も、面白い。

AIは人間の敵なのだろうか?歴史的にも今も、人間同士が絶えず争い、殺し合ってきた。 人間の敵はまず、人間だ。AIとの戦争と、人間同士の戦争とは何が違うのか。

AIとの戦いを思うとき、人間はAIを見下している。人間がAIを支配すべきと。人間同士の戦争も同じではないか?

私たちが恐れるべきはAIという理解できない存在ではなく、(人間も含めた)理解できない他者を破壊したくなる自身の傲慢な心ではないか?
コウスケ

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