毱

違国日記の毱のレビュー・感想・評価

違国日記(2023年製作の映画)
3.0
試写会にて。
無意識のうちに親友に「彼氏つくらないの?」といってしまうのと、「大人が友達してるの、はじめてみた」というのは、実は同じ構造。知らないうちに抱えている朝の固定観念をことごとく解き放いてゆくのがこの映画であり、優等生が逃避したいといってみたり、音楽嫌いになりたくないから辞めるといったカリスマ性をもった部活の仲間だったり、相手に別の側面があることを、朝は知ってゆく過程にある。それが最後の「朝のお母さんはどんなひとだった?」「まきおちゃんのお姉ちゃんはどんな人だった?」という海辺の彼女たちのやりとりに結実していくのだろう。たしかにショットはそんな意図に沿うかのように普通の切り返しは(他の映画と比べて)少なかったように思うけれど、ちょっと演出があざといところもあったような……。
にしても、すごくぶっきらぼうで体温や湿度が低そうでありながらも、相手を尊重するというその点においては揺らがない安定感で存在するするまきおに、勇気づけられる人は多いと思う
(あと、初めて気づきましたが、ガッキーと夏帆の声って、かなり似てますね)
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