原作の雰囲気を損なわないように細心の注意が払われているとは思いつつ、なんつーか全体的にマイルド過ぎる。「自分の人生に不可逆な影響（≒呪い）を与えてきた巨大な存在を不慮の死で失った後にその現実をどう受けとめて生きていくか」的なテーマがあるとして、もっと槙生や朝の生々しい苦しみに踏み込んでほしかったなあと。まあ触れてなくはないけどやや及び腰なんだよなー。だから「優しい関係性」を描いただけの凡百の邦画の一つにも見えてしまう。原作では幾度となく繰り返されたフラッシュ・バックの描写はそういう意味で物語の重しとして機能していたんだなーと今更ながら感心。
新垣結衣は思ったより気さくな演技で大丈夫かよと心配になるも、慣れるとこれはこれで成立してた。早瀬憩さんは初々しい存在感が好印象。でもなー、映画として見るとなんか物足りねーんだよなー。カントク、女優は若手も売れっ子もイジめてナンボなんちゃいまっか。
