ぽち

違国日記のぽちのネタバレレビュー・内容・結末

違国日記(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【総評】良作だとは思います。
原作へのリスペクトは感じるし、映像も綺麗。だが、原作ファンとしては一部の改変がすごく気になる。あと笠町くんと塔野弁護士が原作と違いすぎる。もう一歩頑張って欲しかったなぁ。


今年の「セクシー田中さん」の一件もあったので、漫画原作の実写化という点では一緒だし、どうしても身構えて見てしまいました。
その点、原作を踏み躙るような酷い改悪は見当たらなかったのでホッとしています。

ただ、気になる改変点が複数ありました。

① 不正入試
医学部不正入試をなぜ改変したのか?女子や浪人生の点数が捻じ曲げられ、本当は受かっていのに不合格とされた人もいた最悪の事件です。裁判にもなってます。(以下に記事を記載)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/200904

森本千世のエピソードはできれば入れて欲しい」と原作者からわざわざ名指しであったと監督もパンフレットで書かれてました。
映画は舞台を2023年にしたから、2018年の事件は入れられず別なものにしたとのこと。ずいぶんセミナーみたいな(ちょっと記憶があやふやですが、入試ではなかった)軽い扱いになっていて、森本さんも学校休まないし、屋上から叫んだあとはなぜか犬の遠吠えにくすって笑うぐらい余裕あるし、力になりたいって気持ちで歌ったはずのライブがただの青春の1ページになっているし、という感じで軽すぎると感じます。

②まきおちゃんと笠町くんが中華食べて帰るとこ
異性で、友人で、大切な人に性的な魅力を感じてしまうけどそれって相手を傷つけることもあるじゃん、大事にするって難しい。というこの激エモエピソードだったのに、性的な話が一切なくなってなんかお悩み相談してるわ〜ってだけになってたのが残念です。

③キャラクター
笠町くんと塔野弁護士が違い過ぎません?特に塔野さんって笠町くんが嫉妬するほどの爽やかイケメンですよ?なんか清潔感なくて、、
逆に、エミリが金髪じゃなかったり、まきおちゃんがまん丸お目目のより女性的雰囲気になってたりするところは、実写映画オリジナルとして私は全然ありだと思いました。

逆に、良かった点もたくさんありましたよ。

・温度感の伝わる映像です。餃子の件はほっこり暖かく、無人になった田汲家はひんやりと冷たい。

・朝とまきおちゃんの距離がじわじわ近くなっていく演技が絶妙!

・まきおちゃん家が原作と違うけど、これはこれでリアル!漫画で見た小物あり、いかにも読んでそうって本棚のラインナップもあり。美術さん最高ですありがとうございます!

雑感としてはこんなところでしょうか。

初見の方に優しい作り付けだと思いますので、ぜひ原作も読んでください〜
ぽち

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