デニロ

鯨の骨のデニロのネタバレレビュー・内容・結末

鯨の骨(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

謎のワードが沢山出てきてもはや何が何だかわかりません。出演者に大西礼芳の名前があったし、濱口竜介監督と共に「ドライブ・マイ・カー」の脚本を手がけた大江崇允監督によるミステリー、などとどこかに書かれていたのでミステリーのつもりで観に出掛けたら、ARだのミミだとかいう謎のアプリとか、もはや何を仰っているのか分かりかねる事態です。

男と女が事を致した後、男が結婚式場のことを話し出す。すると女は、わたし他にお付き合いしている人がいるの、さようなら。で、男は、友人にいつまで引き摺ってるんだよ、マッチングアプリいいぞ、教えようか、・・・・・・・・・・一応教えといてくれ。で、知り合った高校の制服を着た女子と喫茶店で待ち合わせて、まんまと自分のマンションに連れて行くと、その女子は男が身支度を整えている間に薬を飲んで自殺してしまう。すわ大変と119に連絡しようとするところを何を思ったか止めてしまい、女子を布でくるんで自分の車にしまい込み山中に。穴を掘って埋めようと車のトランクを開けると女子が消えていた。

ミステリーとはこのことなんだろうか。

その後は、ARだのアプリ/ミミを理解できないわたしには何が何やらわかりません。よく公園や駅の周辺に老若男女がたむろしてスマホをいじくっている姿を見かけたものだが、聞くところによるとその場所にポケモンが現れて、そのポケモンを捕まえるんだそうだ。わたしはそれをしたことがないのでどんな仕組みか分かりませんがそんな機能のことをAR(Augmented Reality)というのだそうです。本作でもネットアイドル“凛”こと横田真悠が似たようなことをやって人を集めている。アプリ/ミミというのは、位置情報を元としてスマホカメラ画面で撮影した自分の動画を撮影場所に残せるサービス(ホームページより)なんだそうで、え、そんなこと出来るのと、思っているわたしは置いてけぼりにされるのです。横田真悠は、そんなシステムを使うよりネット配信をした方が投げ銭を受けられるんで儲かるとかなんとか言って方向転換していたけれど。ここはわたしでも仕組みを知っている。

男がまた女と復縁しようとしたのか床を共にした揚げ句詰られるシーンがあるんですが、これが何のためのシーンなのだかわかりません。この女を演じているのが大西礼芳。わたしの本作鑑賞目的の一つはここで終わります。

あ、消えた女子はアプリ/ミミだかARだかで彼女が画像を埋め込んだ場所に行けば見ることができるんですが、男は時系列を遡って彼女の履歴を追います。女子に気があるのか女子がどうなったのか知りたいのかその意図は判りません。そうこうしているうちに、とある街角の学習塾で女子の姿を見かけます。おいちょっと、と彼女に声を掛けると、慌てた様子で彼女は駆けだして逃げていきます。追っていくと、ふっ、と彼女の姿が見えなくなり、これも埋め込まれた画像だったのかと思っていると、カメラは引いて行き彼女が土手の下に蹲って隠れている姿を映し出します。ここは笑いどころなんでしょう。

ラスト。出会った喫茶店で話し合うふたり。彼女の消えた理由等々が明かされて行きます。そして街中に残している痕跡を消す、ということにして店を出て行くのですが、カメラは固定されてふたりのいた席と店内を映しているのですが、ん、『CURE』の如く何事かが起こるのかと思って目を凝らしましたが、何事もありませんでした。
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