ノースフェイスの創業者ダグ・トンプキンスとその妻、こちらもパタゴニアの元CEOだったクリスティンの環境保護運動家としての半生を追ったドキュメンタリー。
どちらかというとインドア派であろう自分も、フジロックなどでお世話になっているアウトドアブランド。
その創設に関わった人たちの生の声や為人に触れる事が出来て、その根底にある精神性に触れられた様に思う。
自然に魅せられ、自然と共に生きる事を生業にした者が、自然に報いる為に生きる。
その至極、当たり前で、しかし実行するのは困難な事に挑み続けるトンプキンス夫妻の矜持に心動かされる。
愉快犯の様な愚行を繰り返し、時に人命を脅かす様な環境テロリストを持って、この手の「環境保護活動」「持続可能性」を揶揄したり批判するのは安易で愚か。
ダグやその意志を引き継いだクリスの活動や真意を、もっと多くの人たちに知って欲しい。
生前のダグ・トンプキンスは2033年までには世界は終わると言っていたそうだ。
それでも、徒労と判っていても、自分に出来る事はやる。
冷笑や開き直りより、どちらの方が人間らしいだろうか。
「その先に断崖があると知っていてただ突き進むより迂回する、というだけ」
