柏エシディシ

やくたたずの柏エシディシのレビュー・感想・評価

やくたたず(2010年製作の映画)
3.0
北海道のうらぶれた街。
一面雪で覆われる真っ白の画面に、黒い学ランが映える。
三宅唱監督の長編デビュー作。
モノクロのデビュー作っつーたら、ジャームッシュの「パーマネントバケーション」だな、なんて思ってたら確かに精神性は近い。
何も起きなくて、ただ男の子が街をぶらつくだけの映画と考えれば似ている。
でも、あの映画より、何か起きるっちゃあ起きるかw
どうしようもない男たち。
それをただ眺めるだけの女。あのヒト、良いね。
男の子同士のあの距離感。訳もなくつるんでじゃれて、ちょっと拗れても、謝らんとも軽くこづいておしまい。
この作品を見て村上淳が次作「PlayBack」に出る事を決めて、そしてその延長線上に今の三宅唱作品がある。
なんて事はないありふれた日々、それでもそんな日ですら、2度とは訪れることはない。それを映画の中に何とか綴じ込めようとするのが三宅唱という監督なのかもしれない。一貫している。
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