このレビューはネタバレを含みます
上質な恋愛映画だった。
大袈裟な演出が無く冷静に見れば淡々と会話しているだけの場面が多いが、自然ときゅんきゅんして口角が上がってしまうし家族の愛に涙してしまう。
ホワイトハウスとバッキンガム宮殿、共通点も異なる部分も沢山ある2人の境遇の対比が面白い。
別れのキスもできない関係には心を動かすものがあり憧れもするが、やはり中盤のヘンリーのように本気の恋を諦める選択をしても自分に嘘をついたことにはならないというのは頷ける。
背徳感は感じてほしくないが、ヘンリーは背徳を感じながら恋に溺れる姿が様になる。
ヘンリーがイギリス王室に立ち向かうシーンは見物だと思ったが、結果的にはより強大な民衆の声に後押しされた形になった。王道で感動的ではあるものの、あの時点で相当覚悟が決まっていたであろうヘンリーの愛と勇気が発揮されなかったのは残念。