なこ

くるりのえいがのなこのレビュー・感想・評価

くるりのえいが(2023年製作の映画)
4.2
"君がいないこと 君と上手く話せないこと
君が素敵だったこと 忘れてしまったこと"
"ジンジャーエール買って飲んだ こんな味だったけな"

何十回と聞いたこのフレーズに10代の思い出と記憶が染み込んでいる。
ワンゲルをバンドでコピーした記憶、3ピースのくるりを聞いた青春は森くんの脱退と共に去っていったと思っていた。

新しいアルバムが森くん復活でその映画やるって、と聞いて耳を疑った。そしてそのアルバムはまさに昔聞いたくるりだった。
このアルバムができる過程のドキュメンタリーなのだが、バンドからメンバーが辞めてまたアルバムに参加する(くるりじゃ絶対ないと思ってた)というすでにフィクションのような話で、昔の学生時代の3人の空気感と今のくるりが徐々に混ざり合っていく様は、ある種のファンタジーのようだった。
最近映画を通して、歳を取ることの意味というか歳を取って得るもののようなものを探してる自分がいて、その一つの形としてのくるりを観れて、すごく勇気づけられた。

ライブ中アイコンタクトでタイミングを取り合うその一瞬に、20年の言葉には出ない思いが沢山詰まっている気がしました。
配信でも観れるのですがライブシーンは映画館で見ると当時好きだった人はやばいかもです。(泣いた)
なこ

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