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ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワーのmemのレビュー・感想・評価

4.0
映画を通して見る「Male Gaze」。
映画の80%を生産するハリウッドの作品をメインに、問題視され得る映画の各シーンの紹介や称揚される男性製作陣の立場について、また様々な女性の映画関係者から語られる証言から成るメンケス氏による講義形式の作品。
もちろん論じるために象徴的なシーンを切り取っているので強いインパクトのある不快なシーンばかりですが、根底に横たわる蔓延した女性性への見方にはなんの誇張もないんだろう。ただ全ての演出がおかしいとは言い切れない部分もあるのでは。問題は明確に役割を分けるような差別化や、顔のない客体化。まずこの作品で語られていることだけが唯一の真実というようには信じ込まず、自分で考えて調べて行動することが重要。

ここからは完全に個人の感想。
女性なら誰でも経験したことがあると思う。この「性的客体としてまなざされること」について。
作品中の男性の視線が自分に向けられているような感覚になった。自分がまなざされ触られているような気持ちになった。あと中年以上の男性が観客の大多数を占めていたのが気になった…。
視線の感じ方については大袈裟だと言われるのかもしれないけれど、思い出せる経験があるというのが正しいのかも。これは紛れもなく自分事であり、あなたにとっても自分事。
あなたが誰かを視るとき、その人もあなたを視ている。あの目が、手が、空気感が、どれほど耐え難く虫唾が走るものか、見て感じて。
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