花椒

ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワーの花椒のレビュー・感想・評価

4.2
ニナ・メンケスの世界@HTC渋谷

ブレインウォッシュで検索してみたらAV女優が主演の同タイトルの作品があった

え?洗脳って英語の直訳なの?それまで当て嵌る日本語がなかったってこと?

若干ネタバレになりますが、無声映画時代は女性の映画監督は稀ではなかったとのこと。
それがトーキーになってからウォール街の資本が入って映画が産業になって、そこからは女性監督がなかなか生まれなかったこと

アメリカの映画学校の生徒の男女比は半々なのに映画監督は9:1になること。
そしてこの30年間でその比率は改善されるどころかむしろ女性監督の比率は微減しており、男女平等が遅れている産業に。
ある女性監督のインタビューでも「映画に携わりたくても自分が監督になれるとは思っていなかった」と

女性監督での初のアカデミー作品賞受賞のハート・ロッカーは制作チームのチーフは全て男性とのこと

映画産業だけが特殊なわけではないが、男は外で仕事、女は家を守る、その価値観から脱せられない人、産業が根強く残っており、結局男が金を出し、男が作品を作り、男向けに映画が作られ、女性監督が生まれてもその男社会の中に組み込まれて男目線の映画になってしまうという循環に


例えるなら自民党の女性議員のような感じ。結局家父長制や明治維新の考えを維持したい考えの人たちの集まりで自民党女性議員の中に女性の地位向上や男女差別の改善なんて考えている人なんて誰もいないでしょ?
 
閑話休題

ちょっと田嶋陽子や上野千鶴子的な感じでこの監督の主張に全て賛同できるわけではないが、映画の中における女性の立場(製作サイド、キャスティング、撮影方法、視聴者等様々な角度から)について問題提起をしているなかなかの力作
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