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ラブ&ポップのZUSHIOのレビュー・感想・評価

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)
4.8
昔、村上龍の原作読んで、観たかったけどソフト化されてなくて断念していたところでAmazonプライムでようやく観られてありがたかった。
表現方法としても、どうも当時からしてエヴァの監督としてしか見られてなくて、評価も低かったのかもしれないけど、これ、今観ても充分面白いし、映像もかなり実験的に攻めていると思うし、1998年のあの時代の空気や渋谷の風景を記録したという意味でも素晴らしい(し、個人的には本当に懐かしい)。特にラストの暗渠の渋谷川を代官山方面に歩いていくエンドロールは、映画史上に残るとすら思う。
それで、先日『シン・エヴァンゲリオン』観て、庵野秀明プロデュースの『監督失格』観ての『LOVE&POP』なので、テーマ的には分かりすぎるほど分かる。いずれも、女性に母性や理想像や幻想を抱いて、それを押し付ける壊れた男たちが現れるが、やはりこうして庵野監督の思想史を逆走してみても、これらのエディプス・コンプレックス的主題は『シン・エヴァ』で一定の決着がついたのだと改めて良く分かる。
その上で、一皮むけた庵野秀明監督の原点ともいえる『シン・ウルトラマン』は本当に期待できると思う。
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